top of page
STORY
ゴブリン──
誰もが知り、誰もが侮る低級モンスター。
今日も一匹のゴブリンが、冒険者一向に焼かれた巣穴から、逃れてきていた。
しかしゴブリンは、悲しみにくれることはない。
何故なら、不幸に悩めるほどの知性など、そもそも持ち合わせていないのだから──
略奪すること。
生殖すること。
繁殖すること。
そんな本能だけが、彼らを突き動かしているのだ。
だってゴブリンだもの。
そしてゴブリンはメスを見つける。
相手が、どんなに美しく、強く、気高くても。
どんな戦士、王族、聖人でも。
獣には関係がない──全て、種付けるべき【肉床】でしかないのだ。
いざや始まる、略奪の時間。
薄暗い「ゴブリンの巣穴」に、哀れなメスたちの嬌声が木霊する。
さぁ、誰も見たことのない、ゴブリンの本当の姿を、観測しに行こう……!
bottom of page